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リバウンドが起こる5つの仕組み|メカニズムを知ればスリムになる

 2018/05/15 ダイエットの敵 攻略法 この記事は約 11 分で読めます。 2,365 Views

「どうせダイエットしたってリバウンドするに決まってる……」「だったらリバウンドが起こる仕組みさえわかれば、ダイエットを繰り返さなくてよくなるかも」と思って、あなたはこのページを開いたのかもしれません。

もちろんそのとおりです。リバウンドの仕組みがわかればどんなダイエットをすればいいのかがわかり、流行りのダイエットに流されずにスリムな体型をキープできるようになります。

今回は、リバウンドが起こる5つの仕組みと、それぞれの仕組みが起こらないダイエット法をご紹介します。

リバウンドは摂取カロリーを減らし消費カロリーをあげても起こる

リバウンドのメカニズムは、ヒトの生命維持機能に関係しています。

よくリバウンドを防ぐのなら、「体重が減って食べられるようになってからも摂取カロリーが消費カロリーを下回る食生活を続けたらリバウンドせずに維持できますか?」と質問を受けますが、これでは体重を維持するのは難しいでしょう。

なぜなら、徐々に栄養不足になって『飢餓状態』になると、からだは「危険な状態!」と察知して、もとの状態に戻そうと働こうとします。これがよく言われる『ホメオスタシス』という生命維持機能の1つです。

ホメオスタシスとは、気温や食べ物など環境の変化があったとしても、身体を健康な状態を維持し、生命を維持しようする働きのこと

リバウンドのメカニズムには、ホメオスタシスのような生命維持機能などを含め、5つの仕組みがあります。

リバウンドの5つの仕組み

リバウンドしてしまう原因には、「痩せてからもがんばって続けていないから」と言われますが、リバウンドに意志の力は関係ありません。

どれだけがんばっても、カラダの生命維持機能を止めることができず、意志の力だけでは太刀打ちできないからです。

けれども、リバウンドに関係している生命維持機能の仕組みさえ知ることができれば、健康的なカラダに整えながらリバウンドしにくいダイエット法ができるようになります。

1.ヒトの身体はホメオスタシスによって守られている

リバウンドの仕組みの大元はホメオスタシス。
つまり、ホメオスタシスに気付かれないようにダイエットすることが成功の秘訣です。

ホメオスタシスが働いている以上、ある一定のレベルより痩せることが難しくなり、また太りやすくもなります。

たとえば、無理な食事制限をした場合始めのうちは、みるみる体重が落ちていきますが、ある一定のレベルを超えると次第に停滞期に入って痩せなくなりますよね。

これがホメオスタシスのチカラです。また、短期間で体重を落とし過ぎた場合にも「体重が減りすぎ!」といってホメオスタシスが働きます。

ホメオスタシスに気づかれないように、無理のないダイエットを取り入れることが大切です。

2.基礎代謝はあげるより「さげない」こと

基礎代謝をさげないダイエットを心がけましょう。基礎代謝がさがってしまう原因は次の3つです。

  • まちがった食事制限
  • 筋力の低下
  • 短期間による減量

この3つはそれぞれ絡み合っています。

たとえば、まちがった食事制限をして栄養が不足すると、いくら運動をしても筋力がつきません。それに加えて、栄養が足りていないと筋肉からも栄養を分解してしまうので、筋力が落ちてしまいます。

また、短期間で減量した場合にはホメオスタシスが働き始めます。ホメオスタシスが働き始めると、無駄なエネルギーを使わせないように基礎代謝が下がります。

ダイエットの途中や終えてから、体温が低下したり、体調を崩しやすくなったりするのは基礎代謝がさがっている証拠。

必要なカロリーと栄養を摂って適度な運動をして、ゆっくりじっくり体重を落していくことが基礎代謝をさげないダイエットのコツです。

3.体脂肪を一定に保とうするダイエットホルモンの仕組み

ダイエットホルモンと呼ばれる『レプチン』を、正しく働かせることでリバウンドしにくくなります。

レプチン(leptin)は、ギリシャ語の「痩せる」という言葉「leptos」から名付けられ、ダイエットホルモンと言われている

なぜならレプチンは、食欲、食行動、代謝力に影響をあたえているからです。

たとえばダイエットをして体重を減らしていくと、無性に食欲がわいてきます。これは体脂肪が減ったことによってレプチンが反応し、食欲をかきたてて体脂肪を一定に保とうとする働きがあるからです。

つまり、レプチンは体脂肪が増えれば食欲が抑えて代謝をあげる。反対に、体脂肪が減ると食欲をかきたて代謝をさげようとする。このような働きをもっています。

レプチンの働きは、自動車にたとえることができます。

  • 体脂肪=ガソリンタンク
  • レプチン=タンクのメモリ
  • 食欲=燃料切れのアラーム
  • 食べる=燃料補給
  • 代謝=スピード・走行距離


体脂肪は車のガソリンタンクと同じように、エネルギーを貯めているところです。ガソリン(体脂肪)が減っていくと、メモリ(レプチン)が感知して燃料切れのアラーム(食欲)がなります。

燃料が減ったらガソリンスタンドに行って燃料を補給(食べる)して、また走り出す(代謝をあげる)という仕組みが車の仕組みです。

このようにレプチンは燃料タンクのメモリとして、一定の値よりさがると「エネルギーを補給せよ」というサインを出して脳に伝えます。すると脳は食欲を増して、食べるという行動を引き起こします。

レプチンが正常に動くように、満足感が得られる食事をすることが大切です。

4.脳が体重を記憶?脳のメカニズムとリバウンド

ホメオスタシスの機能の1つに、体重を一定に保とうとする体重の設定値『セットポイント』があります。

セットポイントとは、脳が認識しているあなたのカラダにとってベストな体重に維持する仕組みのこと

よく「小さいころから太ったままで過ごしてきました」というような遺伝的な影響もありますが、過ごしてきた生活習慣や家族の嗜好などによるさまざまな環境因子の影響も受けて、今の体重に保とうとするように脳がセットしまったものです。たとえば、日本の俳優やハリウッドスターなどもドラマや映画のために役作りでダイエットしたり、太らせたりしますが、いつの間にか普通の体型に戻っている姿をみます。

これがセットポイントの働きで、短期間で体重を増減させても、すぐに元に戻ってしまうということがわかります。

体重60kgのヒトには60kgというセットポイントがあり、多少の変動があってもこの値から戻るようにできています。

たとえば、旅行で食べ過ぎて帰ってきたら体重が増えてショックを受けた経験もあると思います。

ところが、普段の生活で過ごしていると、いつの間にかいつのまにか元の体重に戻っていることを経験したことはないでしょうか。これがセットポイントの働きなのです。

セットポイントはダイエットを終えてから体重をキープすることによって、記憶し直すことができます。

5.ダイエットでエネルギーをつくる細胞が弱っている

細胞の中にある『ミトコンドリア』の働きを高めることによって、効率よく痩せることができ、リバウンドの予防にもつながります。

ミトコンドリアは、代謝を高めて体脂肪を燃やし、エネルギーをつくる工場みたいな役割をもっている

しかし、ミトコンドリアの働きが悪くなったり、数そのものが減ってしまう原因の1つにまちがったダイエットがあります。(その他の原因:加齢(老化)やストレス、活性酸素、運動不足、栄養不足、睡眠不足など)

なぜならミトコンドリアにも必要な栄養素(ビタミンやミネラル、抗酸化物質など)があるからです。

ミトコンドリアの働きとリバウンドの仕組みを、工場でたとえることができます。工場がたくさんあっても、その中で働く作業員が元気でないと生産性は下がりますよね。作業員が元気よく働いてもらうためには、栄養・睡眠・ストレスが少ないなどが必要となります。

しかし、作業員の生産性が下がってしまうと、いくら材料(食べ物)を運んだとしてもエネルギーは生み出されません。

そんな状態でも、エネルギーがほしいと注文が入ってきます。とにかく材料(食べ物)を運んでくるしかない。その運んだ材料は、体脂肪という形で保管しておくしかないのです。エネルギーをつくるミトコンドリアの数を増やし、活性化するダイエットを取り入れましょう。

ホメオスタシス(生命維持機能)を作動させないダイエット法とは?

自分のカラダに最適な方法で、ゆっくりじっくり長期的にダイエットしていけばリバウンドを予防することができます。では次に、リバウンドの5つの仕組みから考えるダイエット法をご紹介します。

1.必要なカロリーと栄養バランス豊かな食事制限をする

ホメオスタシスを作動させない食事は、活動レベルに応じたカロリーと9大栄養素をバランス含んだ食事をすることです。

活動レベルに応じたカロリー

カロリー制限をする場合、自分の活動レベルに応じたカロリーを摂取すること。

なぜなら摂取カロリーと消費カロリーのバランスが崩れると、ホメオスタシスがただちに働いて体重減少をストップさせてしまうからです。

たとえば、仕事が事務やオペレーターなどのデスクワークと、営業や野外作業などのフィールドワークとでは消費カロリーが異なります。

もし仮に摂取カロリーが同じ1200kcalだった場合、活動レベルの高いフィールドワークの方がすぐにホメオスタシスが働き体重が止まってしまう可能性があります。

また、大好きな芸能人やモデルの摂取カロリーが○○kcalだからといって、自分の活動レベルを無視して真似してもホメオスタシスがただちに減量をストップさせてしまいます。

なので、以下の表を参考にし、活動レベルに応じたカロリーを摂取するようにしましょう。

9大栄養素をバランスよく摂取する

9大栄養素とは、①タンパク質・②炭水化物・③脂質・④ビタミン・⑤ミネラル・⑥食物繊維・⑦水・⑧抗酸化物質(ファイトケミカル)・⑨酵素のことをいいます。

これらは生命の維持に最低限必要で、免疫力を高めたり、アンチエイジングにも寄与している栄養素たちです。

痩せるためには単品ダイエットをしたり、特定の栄養素(たとえば脂肪など)をカットしたりしますが、これらは栄養バランスを崩し、ホメオスタシスを作動させてしまうことになります。

栄養素はバランスよく摂取することで、初めてエネルギーとして使うことができるので、まんべんなく摂れるように工夫することが大切です。以下、9大栄養素と代表食品をまとめました。

また、「どれぐらい摂ればいいの?」と疑問に思うかもしれませんが、量を意識するよりも食品をバランスよく摂取するように心がけましょう。

1日にすべてを摂取するというよりも、1週間でバランスよく摂取できるようなダイエットメニューを意識しましょう。

たとえば、ダイエットを意識して鶏胸肉が続いているのであれば、今日は魚、明日は豚肉、明後日は豆腐料理など、同じタンパク質でも食品を変えて摂取すれば1週間でいろいろな栄養素をとることができます。

いつもダイエットに付き合ってくれるカラダと心に、いろんな栄養素をあげましょう。

2.適度に運動や筋トレを取り入れる

基礎代謝を落とさないためには栄養バランスに続き、適度なトレーニングも必要です。

とはいっても、消費カロリーを一気に上げるような激しい運動や筋トレではなく、普段の生活の中でできる少し負荷をかけた運動がおすすめです。たとえば……

  • 普段の歩き方を運動に当てる
  • エレベーターではなく階段を使う
  • テレビをみながらスクワット など

また筋力を維持するためには、体重1キロあたり1.0~1.5g程度のタンパク質をとることもポイントです。

そして、痩せてからも続けられる楽な運動やトレーニングを取り入れることが大切です。

3.レプチンが正しく働く7つの食べ方に変える

レプチンを正しく働かせる食べ方には、次の2つのポイントがあります。

1.エネルギーとしての充足

2.報酬としての満足感

これらを得るには、正常な食欲を実感して「食べる」という行為そのものを大切にすること。

そして、美味しいと実感しながら食事をすることが非常に重要になります。報酬としての食が満たされないと、量で満たそうとしてカロリーオーバーになりがちです。

つまり、美味しいものを美味しいと実感して食べることができれば、レプチンの働きを正常に働かせることができるということです。

以下の7つの食べ方を意識すれば満足感を高めることができます

4.体重は1ヶ月で5%以内で落とす

1ヶ月に5%以上体重を減らしてしまうと、ホメオスタシスが働きリバウンドしやすくなります。

現在の体重と1ヶ月に落してもよい体重(5%以内)を以下にまとめました。

また体重を5%以内で落としていたとしても、ホメオスタシスが働いてしまう場合あります。そのときは、「ちょっと急ぎ過ぎたかな」と思って、焦らず続けるようにしましょう。

次第にカラダが慣れて、また体重が落ちてくるようになります。

5.ミトコンドリアを活性化させる

エネルギーを作り出すことさえできれば、リバウンドせずに体重をキープし続けることができます。

そのためにはミトコンドリアの機能を高めることが必須です。

対策として、ミトコンドリアの機能低下の原因を取り除くことと、刺激を与えることそれぞれをまとめました。

それぞれのポイントは次のとおりです。

  • 機能低下を防ぐ:不必要な食べ物を避け、必要なものを摂る
  • 刺激を与える:よいストレスを与え、エネルギーを作らせる

ミトコンドリアの機能を高めることができればダイエットだけではなく、美容やアンチエイジング効果、今よりも健康的でストレスフリーな状態になれますよ。

おわりに|ダイエットは長期スパンで取り組むこと

いかがでしたか?

今回は、リバウンドが起こる5つの仕組みとそれぞれのダイエット法についてご紹介しました。

これでダイエットとリバウンドを繰り返すことなくスリムな体型をキープすることができるようになります。

是非参考にしてみてくださいね 。

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森本 雄太

森本 雄太

看護師、リバウンドゼロの専門家。看護師時代にストレスによる生活習慣の乱れから激太り。「メタボなおっさんになりたくない!」という一心でダイエットを開始。総額100万円分のダイエットを試すが挫折。「リバウンドするダイエットは意味がない」と気づき、試行錯誤のすえ、2ヶ月で10キロのダイエットに成功。現在は、カラダの仕組みと個々のライフスタイルを重視したダイエットプログラムを提供している。

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