夜勤のある仕事のダイエット|看護師が痩せた太らない食事術
「夜勤をはじめてから太った気がする…」「痩せるにはどのような食事や生活スタイルをすればいいのかアドバイスがほしい…」
もしかしたら、あなたも同じ悩みがあってこのページを開いたのかもしれません。
安心してください!このページでは週2回夜勤をしていた看護師の私が、具体例を入れながら、あなたにとって「本当に役立つ夜勤者のためのダイエット術」についてお伝えしています。
私も「夜勤があるからダイエットができない」と思っていましたが、いろいろ試しながら無事に2ヶ月で10キロ痩せることができました。もちろんリバウンドはしていません。
ただ、夜勤中の食事のタイミングや仮眠の時間は、あなたの職場の勤務形態によって変わります。
そのため、先に改善するポイントをお伝えし、最後に私が痩せたときの夜勤の実例を紹介します。
読み終わるころには「次の夜勤で試してみよう!」という気持ちになり、あなたの夜勤のパターンに合わせた食事のポイントがわかるようになるでしょう。
ぜひ、参考にしてください。
※この記事で紹介している「夜勤」とは、日本の労働基準法で「深夜業」と定められている「午後10時から午前5時までを含む勤務」と定義しています。(労働基準法第37条第4項)
このページの目次
1.夜勤は痩せられるチャンス!
夜勤をすると太ると言われますが、実は痩せられるチャンスです。
なぜなら、夜勤は勤務時間が日勤よりも長くなるため、消費エネルギーが多くなるからです。
たとえば、私が働いていた職場では、日勤が午前9時から午後6時までの9時間。それに対して、夜勤が午後5時から午前9時までの16時間。実に7時間以上も差があります。
また、ある研究では夜勤前後の生活も含めた1日のエネルギー消費量は、他の勤務と比べて多くなっているということも明らかになっています。
参考:『三交替制勤務における看護婦のエネルギー消費量に関する研究』
だから、夜勤は痩せられるチャンスだと言えます。
むしろ太りやすいのは、夜勤中よりも夜勤明け。
原因は、睡眠不足になることで食欲を抑えるホルモンのバランスがくずれるから。
それにどう対応したらいいのかは、以下の『4.夜勤明けの過ごし方で太るか太らないかが決まる』でお伝えします。
ただ、夜勤は痩せられるチャンスとはいっても、夜勤中に食べ過ぎてしまえばもちろん太ります。
まずは食事のタイミングについてポイントをおさえましょう。
2.食べるタイミングはあなたの勤務形態によって異なる
食べるタイミングは、勤務の状況や休憩(仮眠)時間によって異なります。
なぜなら、食事の時間を自分で決められる場合と、業務によって前後する場合とでは、カラダへの負担が変わってくるからです。
よくダイエットにおいて「寝る3時間前には食べ終えましょう」と言われていますが、勤務形態やその日の状況によっては、食事のあとにすぐ仮眠をとらないといけない場合もあるからです。
つまり、食べるタイミングはあなたの勤務のパターンによって決めることが大切となります。
たとえば、次のようなパターンによって食べるタイミングが異なります。
勤務パターン別の食べるタイミング
・自分で食事と仮眠の時間を自由に決められる場合
体内リズムをくずさないように、なるべく普段の夕食と変わらない時間帯で食べて仮眠をとる。朝食も同じ時間帯にとるのがおすすめです。
・食べた直後に仮眠をとらなければいけない場合
満腹のまま仮眠をとると代謝が低下する(起床後、お腹が苦しいなどがその証拠)ので、仮眠の質を高めるために、満腹感を得ないよう少量にしておくのがおすすめです。
・その日の状況によって食事や仮眠がとれないときもある場合
空いた時間にしっかり食べるのもOKです。そうでない場合は、小まめに食べて過ごすのもいいでしょう。
など、他のパターンもあると思いますが、ポイントは2つ。
- 空腹感に合わせて食べること
- 仮眠の質を高められるように食べること
この2つを守り、勤務の形態や状況に合わせて食べることができれば、無駄にエネルギー(代謝)を落すことなく夜勤を過ごすことができます。
そして、ここで出てくる疑問が「何を食べたらいいのか?」ですが、それについて以下にまとめました。
3.食事は血糖値スパイクを起こさないように注意する
血糖値スパイクとは、食後に血糖値が急上昇(食後高血糖)し、その後急降下することをいいます。(血糖とは、血液に含まれている糖質のこと)
激しく血糖値が変動することによって、食後に眠気や倦怠感や頭痛などを引き起こす可能性があります。
このような症状を起こさないように、インスリンというホルモンの働きによって、臓器に血糖を取り込みエネルギーとして利用します。
しかし、利用しきれなかった血糖は、脂肪細胞に取り込まれ細胞が太ってしまう仕組みになっています。
つまり、通常の食事でも夜勤の食事でも血糖値を急激にあげないことが、痩せるために外してはいけないポイントとなります。
そこで、夜勤のときには血糖値スパイクが起こりにくい、以下のような食材を準備しておくといいでしょう。
おすすめ食材1:タンパク質
約50%が血糖値に影響し、ピークは約3時間後。
例:ゆで卵、あたりめ、ちくわ、豆乳、枝豆
※チーズやヨーグルトなどの乳製品は、代謝を下げるため避ける
おすすめ食材2:良質な脂肪
約10%が血糖値に影響し、ピークは約6時間後。
例:素焼きナッツ(クルミ、アーモンド、カシューナッツ、ピスタチオ、ピーカンナッツなど)
おすすめ食材3:糖質が低い
高糖質な食べ物は約100%が血糖値に影響し、ピークは1時間後。
選ぶなら糖質の低い低GI食品を。
例:フルーツ、ドライフルーツ(いちじくやプルーン。砂糖や着色料などが添加されていないものに限る)、カカオ70%以上チョコレート、干し芋、干し柿
※人工甘味料が入ったダイエット飲食品はNG
出典文献『糖尿病教室パーフェクトガイド』(池田義雄監訳,2001年,医歯薬出版)
4.夜勤明けの過ごし方で太るか太らないかが決まる
夜勤のある仕事で太ってしまう最も大きな原因は、夜勤中ではなく夜勤明けの食事です。
なぜなら、睡眠不足になることで食欲を抑えるホルモンのバランスがくずれるから。
たとえば、次ような食欲に襲われたことはありませんか?
夜勤明けは……
- 普段食べないジャンクフードやお菓子が無性に食べたくなる
- 濃い味のものをガッツリ食べたくなる
- 食べようと思ったら底なしに食べることができる
- 少し食べただけでお腹がいっぱいになるけれど、すぐにお腹が空いて食べてしまう
などなど、夜勤経験者であればこのような食欲の暴走を経験したことがあると思います。
さらに、夜勤明けはホルモンバランスに加え、疲れから正しい判断ができなかったり、欲求を抑えきれない状態になっていたりするので、食欲のコントロールが難しくなっている状態にもなっています。
だから、夜勤中よりも夜勤明けの方が太りやすくなるので、対策を準備しておきましょう。
また、夜勤が終わったら、帰ってすぐ寝る人もいればそのまま遊びにいく人もいると思います。
夜勤明けの過ごし方によっても対策が異なってくるのですが、ここでは夜勤が終わったら自宅でゆっくり過ごす場合を想定してお伝えします。
ポイント1.消化にエネルギーを使わせない
代謝が落ちてしまう1番の原因は、消化にエネルギーを使いすぎてしまっているからです。
たとえば、脂っこい揚げ物の定食や焼肉をたくさん食べると、なかなかお腹が空かないことがあります。
これは消化に時間がかかりすぎて、処理できていないことを示しています。
特に夜勤明けはエネルギーがほとんどない状態なので、食欲のままに食べてしまうと体脂肪を燃やすためのエネルギーが消化を優先して使われるようになってしまいます。
すると、代謝が上がらず、太りやすくなってしまうのです。
ポイント2.すぐ寝るなら空腹で
夜勤明けはエネルギーがほとんどない状態なので、エネルギーを回復させる必要があります。
そのために、仮眠の質をよくすることが重要です。
人は夜眠ることで翌日の代謝をあげるためのエネルギーをつくり、夜勤明けの場合は昼間の仮眠がそれにあたります。
そして、仮眠の質を高めるために空腹状態で寝ましょう。
なぜなら、夜の睡眠のときも、寝る3時間前には食べ終えておきましょうと言われます。
これはなるべく胃の中を空っぽにすることで、睡眠の質を高め、カラダを回復させるためだからです。
夜勤明けですぐ寝るのなら、何も食べず寝た方が代謝をあげることができます。
ポイント3.夕食は普段と変わらない時間に食べる
夜勤をするとカラダのリズムは必ずくずれます。そのくずれたリズムを戻すためには、いつも通りのタイミングで食事や睡眠をとることで早く戻すことができます。
夜勤明けの夕食は普段と変わらないタイミング・時間で食べるようにするのがおすすめです。
また、夕食の直前に仮眠から起きても消化管はすぐに動きませんので、2~3時間前には起きることも忘れないようにしてください。
5.夜勤前後に運動しても痩せない。むしろ休息をしっかりとる!
夜勤前後に運動をする必要はありません。
なぜなら、運動よりも睡眠をとることの方が、代謝アップにつながるからです。
通常の睡眠は、カラダを休めて翌日の代謝をあげるエネルギーを充電する時間でもあります。
夜勤をすると、必ず睡眠不足になるので十分なエネルギーが充電されません。
夜勤明けはしっかりとカラダを休めることが、運動をすることより代謝アップにつながります。
運動よりも睡眠を優先させましょう。
6.私の夜勤の過ごし方を紹介
最後に私の事例をご紹介します。試行錯誤して見つけた私のパターンです。
参考程度にとどめておいてください。
※夜勤の時間:17:00~9:00(うち休憩は1時間30分)
・夜勤前の過ごし方
日勤と同じ時間に起床。朝ご飯(フルーツ)を食べる。
軽めの昼食(メニュー:オリーブオイルたっぷりの葉野菜サラダ、魚や肉などをオリーブオイルで焼く、雑穀米(米1合に対して雑穀大さじ3杯)を食べる。
仮眠を14~15時まで摂る(深く眠るとしんどくなるため、1時間以上は寝ない)。
16時に家を出る。
・夜勤中の過ごし方
夕食は20時~22時に交代で入る。
夕食のメニュー(自炊のとき:サラダ(プチトマト、キュウリのブツ切り)、ゆで卵3個、こぶし大のおにぎり1個(あみえび・じゃこ・昆布・梅干しを混ぜ、板のりを巻いたもの)
(コンビニのとき:カット野菜サラダorキャベツの千切り、サラダチキン、サケおにぎり1個)
仮眠は交代制で、0時~1時、2時~3時、3時~4時の3パターン。
朝食含め、小腹が空いたらナッツもしくはバナナやミカンなどのフルーツを食べる
・夜勤明けの過ごし方
家に帰ったらすぐにお風呂に入ってから寝る(空腹でもすぐ眠れます)。
目が覚めたら、水分の多いフルーツを食べる
その後小腹が空いたらフルーツを追加するか、ナッツやドライフルーツを食べる(できるだけ夕食に支障をきたさない程度の量にとどめる)。
夕食はいつも通りの時間に、普段と同じ量もしくは少なめの量を食べる。
(サラダ、タンパク質、ご飯)
早めの21時に寝る
以上、検証を繰り返してこのような過ごし方になりました。
おわりに|勤務帯に合わせてルーティンにしておく
夜勤のある人がダイエットをするための食事のポイントと私の実例をご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?
正しい方法は個々によって異なるため、あなたのカラダと職場の勤務形態に合わせていくことが大切です。
なので、今回うまく過ごすことができなかったら、原因を突き止めて「次はこうしてみよう」と検証を繰り返し、あなたなりのうまくいく方法を探すしかありません。
あなたにとってベストな夜勤の過ごし方さえ見つけることができれば、あとはそれをルーティン化(きまった手順)すれば無理なく自然体で続けられるようになります。
すると、「夜勤をしているから痩せられない」「どんどん太ってしまう」という悩みから解放され、自信をもって過ごすことができるようになるでしょう。
この記事が、あなたにとって、福音となれば幸いです。